GTC 2015 - 統計的データ処理で宇宙を理解する
とK40 GPUの実行時間を比較したもので、1万銀河の場合、CPUの場合は46.5時間と約2日かかるが、GPUでは2時間で計算できる。GPUはおおよそ20倍高速である。
CPUでは非常に時間が掛かるので、KD-treeという遠方の銀河をまとめる近似計算が使われるが、GPUを使えば、KD-treeよりも短い時間で厳密解が得られる。
結論であるが、宇宙論の研究もBig Dataを扱う時代になってきた。そして宇宙論の分野ではN3に比例するというスケーリングがうまく行かない問題がある。しかし、GPUはCPUより20倍速く、マルチGPU化が容易な問題であるので、エクサスケールになっても計算は可能であると結んだ。
この研究にはSDSSのような望遠鏡や、次世代のLSST望遠鏡など、天空の広い領域を一度に観測し、遠方の宇宙の銀河のデータを得られる望遠鏡が必須であるが、そのデータから3銀河の作る三角形の形状を求めることで宇宙論の理論の正しさを検証できるというのはとても面白い。まったく異なるSKA電波望遠鏡でも観測データ処理にバックエンドとしてエクサスケールの巨大な計算能力を必要としており、確かに天文学はビッグデータの時代に入っている。
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