○"可愛げ"の前になすすべなし
おしなべて女性は"美人"を目指そうとし、比べて悩み、妬み嫉みを抱き、と世間が設定した美の尺度に振り回され続けるわけだが、じゃあ美を持ち合わせていれば万事解決なのか、ということを考えさせられてしまったのが、『赤ずきんチャチャ』(集英社)――まさかのギャグ漫画であった。
『チャチャ』のストーリー自体は、美人だのブスだの恋だの、というのがメインの話でもなんでもないのだが、主人公のチャチャの言動や、周りを取り巻く人間関係を見ていくと、"可愛げ"の前になすすべなし。
可愛げが服着て歩いているような主人公チャチャは、幼なじみのリーヤと最初から両思い。ベタ付きの師匠セラヴィーは顔良し頭良し全方位高スキルの世界一の魔法使い。あまつさえ、チャチャはいつも行動を共にしている男友達であるしいねちゃんからも思いを寄せられている。
一方で、美人だけど少し底意地の悪い人魚のマリンちゃんは、想い人であるリーヤからは見向きもされず。チャチャの師匠セラヴィーに片思いしているやっこちゃんも、どちらかというとあの漫画の中では美人枠なはずだが、悪賢くヒネているからなのか、いまいちうまくいかない。