くらし情報『「新型基幹ロケット」の概要が明らかに―2020年の初打ち上げを目指す (1) 新型基幹ロケットはなぜ必要なのか』

2015年4月21日 10:30

「新型基幹ロケット」の概要が明らかに―2020年の初打ち上げを目指す (1) 新型基幹ロケットはなぜ必要なのか

ただ、日本の地球観測衛星である「だいち2号」や情報収集衛星は約2tほどしかなく、H-IIAの4tという打ち上げ能力はやや過剰である。

もうひとつの静止トランスファー軌道というのは、通信衛星などの静止衛星が打ち上げられる静止軌道の、ひとつ手前の軌道のことだ。多くのロケットは静止軌道に衛星を直接投入することができないため、この静止トランスファー軌道に衛星を投入している。静止衛星の質量は、小さいものでは2tほどだが、大きいものであれば7tもある、H-IIAの最強型でも打ち上げられない衛星が出てきている。

つまり、H-IIAよりも価格を下げつつ、打ち上げ能力を各軌道に合わせて最適にしたロケットが必要となっているのだ。○これまでの経緯

H-IIAの後継機を造るという話は、JAXAが設立された2003年の時点ですでに持ち上がっていた。しかし、その直後の同年11月29日にH-IIA 6号機の打ち上げが失敗し、新型ロケットよりもまずはH-IIAの信頼性を高めることが優先されたこと、またそれと関連し、ロケット・エンジンやブースターの改良に力を注ぐことになったことにより、開発決定は先延ばしにされた。

その後もJAXA内で研究が続けられ、2012年度からは概念検討が行われた。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.