楽天モバイルが新製品・新サービスを発表 - MVNOのMNO化が進む?
●楽天の経済圏に囲い込む仕掛けが多数
○MVNOのMNO化が進む?
楽天モバイルはドコモ網を使うMVNOだが、その性格は単なる通信サービス事業者にとどまらず、楽天グループ全体との相互効果を重視した施策が目立つ。冒頭で平井副社長が述べたとおり、koboやSHOWTIMEといったデジタルコンテンツサービスとの連動や、通話についても、フュージョンコミュニケーションズの回線を利用することで通話料が半額になる「楽天でんわ」、楽天スーパーポイントや楽天Edyなど、楽天の経済圏に囲い込む仕掛けが多数用意されている。
MVNO業界はコスト競争の激しさが増しており、これまでは端末もエントリーからミドルクラスの格安スマホが中心だったが、トレンドが高性能なモデルへと移行しつつあるなど、価格面以外での差別化を図る動きが目立ち始めてきた。
価格以外の付加価値という点では、楽天モバイルが取る施策はまさに的を射たものだが、通信からコンテンツまですべてを楽天グループ内でワンストップで提供しようという試みは、MNO事業者である3大キャリアがやってきた戦略と重なるものが多い。MNOへのアンチテーゼとして推進されてきたMVNOがMNO化することは、ある種皮肉でもある。