産業医から見た企業内禁煙の効果的な進め方。決め手は経営陣の意志!
「定期的な健康診断の結果を踏まえてアドバイスを送ることで、病院との橋渡し役を担うのが基本的な仕事。例えば、血糖値が高いと言われても、どういう対策をすればいいのか、どの診療科を受診すればいのか、一般の方ではわかりにくいところがありますから、適切な形でアドバイスを伝えています」
と村田先生は話す。さらには慢性疾患を持っている人の対応、大きな病気をした職場復帰者のケア、人事部門との連携で無理のない働き方の導入なども手掛けており、社員が健康不安を抱えることなく働ける場づくりに尽力している。そして、禁煙指導に関しても、もちろん産業医の仕事の一つとなる。
○経営陣の一声がきっかけになり、禁煙の取り組みが始動
村田先生は専門である糖尿病治療の延長で、禁煙治療にも携わってきたという。その経験を生かして産業医となった今も禁煙への取り組みを独自に進めてきた。
社内で禁煙セミナーを開催し、希望者には事業所近辺の禁煙外来を紹介したりして、一定の効果は得ていたものの、産業医一人ではできることに限界がある。応対できるのはごく少人数の社員に過ぎない。
なかなか大きなムーブメントに発展しなかったのが悩みの種だった。