産業医から見た企業内禁煙の効果的な進め方。決め手は経営陣の意志!
「煙草を吸わない人にとっては関係ない話ですし、多くの喫煙者はやめた方がいいとはわかっていても、具体的な行動に移してはくれません。産業医の私が単独で啓発を行うのには、限界を感じていた部分もありました」
ところが、2014年9月の役員向けの研修会で状況が一変する。村田先生が講師として参加し、経営陣ともに社員が定年まで健康で働き続ける職場づくりに関して意見を交わしていったところ、会社として"健康経営"を行っていくという話が持ち上がる。
既に残業制限や労務管理の強化といった働く環境面の品質向上がスタートしていたのも、こうした方針を打ち立てた背景にはある。
「具体的な案として、二次健診の機会作り、食事や運動などの支援などが挙がっていく中で、禁煙についても健康経営を実践するには外せない要素だということになりました。ただ、そう決めた経営陣の中の喫煙者から、『喫煙者自ら社内の禁煙化を進めて、職場の環境を整えることが大事だ』との発言があり、取り組みが大きく前進しました」
現在は禁煙への取り組みの計画を打ち立てているところだというが、数年後をめどに喫煙率を現状の20%(*)から半分に落とすという目標を掲げるのは決まった。