くらし情報『シリコンバレー101 (612) データが伝えるベースボールの面白さ、MLB観戦を変える「Statcast」』

シリコンバレー101 (612) データが伝えるベースボールの面白さ、MLB観戦を変える「Statcast」

「どのキャッチャーが最も素早く二塁へ送球するか?」「外野手のレーザービーム送球のスピードは?」「極端なシフトの効果は?」など、ファンが興味を持つトピックに合わせて、うまく数字を料理し、ファンを納得させてこそデータが生きる。その点、Statcastは見せ方や解説・実況との合わせ方が練られていて、Statcastによって試合中継やMLBニュース番組がグッと面白くなっている。

ステロイド時代が終わってホームラン数が激減している。地道に走者を進めて1点をしぶとく奪いにいくチームの強さが目立つようになった。そういう意味で、ベースボールは地味な時代に突入した。一昔前だと、そんなチームが勝ち抜いたシーズンにベースボール人気は下がっていた。ところが、ここ数年のメジャーリーグの観客動員数に大きな落ち込みはなく、好調を維持している。

Statcastのような分析は特大ホームランや剛速球のメカニズムも解明するが、以前は普通の一打や普通の走塁と見なされたプレーからもプロの技やスゴさを浮き彫りにする。
そうした雑学的な面白さの方が、ネットで話題やニュースが伝わる時代には広まりやすい。これが早くからMLB.comに力を注いでいたMLBのネット戦略の狙いだったのか、それともネット戦略がうまくはまった結果なのかは分からないが、数人の人気選手に頼るのではなく、ベースボールそのものの面白さを引き出すのにMLBは成功している。

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