Power BIで"ビッグデータの民主化"を進めるマイクロソフトの狙いとは?
日本マイクロソフトは4月24日、これまでExcelで提供してきたPower BIの無償版「Power BI Designer」の提供をPowerBI.comで開始した。現在はプレビュー版の提供で、一部に英語のインタフェースが残る。
正式版の提供は現時点で未定。月額9.99ドルの有償版「Power BI Pro」も今後は日本で提供する予定だという。ただ、Power BIの無償版でも、1ユーザーあたりのデータ使用量が1GB分確保されているなど、ある程度余裕を持って利用できるようだ。
○ビッグデータ活用、課題は「経済」「技術」
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウドアプリケーションビジネス部 部長の斎藤 泰行氏によると、今回の無償化は「ビッグデータの民主化」だという。
2013年に総務省が行った調査では、企業に眠る様々なログ、いわゆる"ビッグデータ"を活用することで、日本国内の経済効果が7.7兆円にのぼることが明らかになったという。この7.7兆円という数字は、東京オリンピックの経済効果試算が3兆円と一部で言われている中で、それを大きく超える波及効果となる。
しかし、2014年に同様に行われた総務省の調査では、ビッグデータを実際に活用できた割合がわずか4.6%に過ぎず、大きな潜在需要とは対照的にビッグデータ活用が遅れている現状を映し出していた。