COOL Chips XVIII - 自動運転の現状と将来 (2) 1900GigaOps/sの性能を実現する東芝の第4世代画像認識プロセッサ
特徴点の抽出には、「Histogram of Oriented Gradients(HOG)」という、どちら向きの線分があるかのヒストグラムを作る。次の図の右の2つの写真は人間と道路に立っている丸い看板であるが、輪郭線の傾きのヒストグラムは似ているので、HOGでは区別が難しい。これに対して、東芝は「Co-occurrence HOG(CoHOG)」という改良アルゴリズムを使っている。CoHOGは小領域の中で、2つの線分のペアの傾きがどうなっているのかのヒストグラムを作る。この方法を使うと、対象物のローカルな形が判別できるという。
しかし、CoHOGの場合は、次の図のように着目しているピクセルを含む30通りのペアの傾きのヒストグラムを作るので、HOGと比べると計算処理量が大きくなり、3GHz以上のプロセサが必要であるという。なお、このアルゴリズムは第2世代から使っているという。
そのため、30通りのヒストグラムをアップデートし、それぞれのヒストグラムが何を意味しているのかの辞書を格納するDictionary Bufferを読み出して並列に比較する機能などを備えたCoHOGアクセラレータを作っている。