巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (1) AMDとIntelの確執の起源
このようなコンピューター会社は、それぞれが自分のシステムに使用する半導体パーツを自身で製造していた。特にコンピューターの頭脳であるCPU(Central Processing Unit)は自社設計のものを自社のコンピューターに使用するというのが常識であった。要するに今ではスーパーコンピュータにも使われるのが当たり前である汎用CPUなどというものは存在しなかった。
そこに、IBMからIntelへ8088を最新製品に採用したいという話が入った。IBMが8088を採用した製品は、1つはDisplaywriter(いわゆる初期のワードプロセッサ)とIBM PCであった。
最近、その時代のシリコンバレーの話がよく書かれている本に出会った。National SemiconductorのCEOを務めた Charlie Sporck 氏の回顧録「Spinoff」と言う本をである(Saranac Lake Publishing, New York刊)。残念ながら既に絶版らしいし、日本語訳されていないので、今では読まれる機会がほとんどないと思われるが、私としては実に面白い読み物である。
この本によるとIBMからIntelにこの話が来た時、Intelは大いに期待したことが書かれている。