チョコレートの食習慣で認知症やうつ病を予防 - 大規模研究の最終報告
これらの報告により、カカオポリフェノールが血圧を低下させ、善玉コレステロール値の上昇により動脈硬化の予防にもつながる可能性が示唆された。
そして今回、これらの中間報告の結果に加え、さらにふたつの研究結果が新たに発表された。
○うつ病、アルツハイマー型認知症などへの関連性
今回新たに報告されたのは、学習や記憶など認知機能を促進させる脳にとって重要な栄養成分「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が、チョコレートの摂取後に上昇していること。血清中のBDNF濃度が摂取前は6.07ng/mlであったのに対し、摂取後は7.39ng/mlと有意に上昇が認められた(p値=0.005)。
BDNFは脳の中で記憶形成を司る海馬に多く存在することが確認されている。このBDNFは加齢とともに減少し、これまでは運動によって上昇するとされていたが、今回の研究報告により、抗酸化物質(本研究ではカカオポリフェノール)を含むチョコレートを摂取することでBDNFを上昇させる可能性が報告された。これまで、うつ病やアルツハイマー型認知症においては、脳内BDNFの減少が報告されている。大澤教授は、「BDNFを摂取することで、認知機能が改善されるとする研究報告は多数なされている。