Maxim、医療機器向けセキュアメモリを発表 - 担当者に聞いた組み込みセキュリティの将来像
(同)とする一方で、「耐久消費財やモバイル機器では低コスト化や低消費電力化、小型化といった部分で厳しい要求が突きつけられている。そうしたニーズに対し、我々はセキュリティとコストのバランスを考慮することで、最適なコストで最適なレベルのセキュリティを提供できる取り組みを進めてきた」と、様々な業界ニーズに対応できる柔軟性を強調する。
今回発表された「DS28E80」は、医療機器関連に特化した製品となる。その最大の特徴は、ガンマ線への耐性を備えたストレージセル技術を採用したこと。医療現場における器具の中には、使用後に滅菌や減菌処理が必要となるものがあり、それらはガンマ線を照射することが規定されているものがある。しかし、半導体デバイスにとってガンマ線(放射線)は大敵で、放射線が当たったことによってビット反転が生じたり、データが破損したり、といった問題が起こる。同製品は8バイトのブロックで構成された248バイトのユーザーメモリを備えているが、75kGyのガンマ線耐性があり、そこまではガンマ線が照射されても、メモリ内に記憶しているデータが消失することがなく、機器使用回数の上限の算定などを容易に行えるようになっている。