くらし情報『巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (5) AMD、80386のリバースエンジニアリングに着手(前編)』

2015年6月8日 11:00

巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (5) AMD、80386のリバースエンジニアリングに着手(前編)

ただし、いくら能力があっても一つだけユニークな条件が付いていた、"Intel社に勤務する親類縁者がいないこと"。

AMDは80386の互換製品独自開発について"リバースエンジニアリング (Reverse Engineering)"の手法を用いた。クリーンルーム版と別名されるこの手法を辞書で調べると、"Reverse engineeringとは、機械を分解したり、製品の動作を観察したり、ソフトウェアの動作を解析するなどして、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図、ソースコードなどを調査する事である"とある。クリーンルーム版と言う意味は、設計エンジニアたちは設計室に入る時と退出する時に身体検査をされ、何も持ち込まない、何も持ち出さないということを徹底することである。

つまり、普通のものづくりの方法は、まず設計図があり、それに基づいて製品を作っていくのであるが、この場合はまず製品(30386)があり、それがどういう設計で作られたのかの情報なしに、公開された情報だけをもとにその当該製品と同じものを作ることである。AMDが与えられた公開された情報で一番有力なものは2つである。

80386のデータシート、ユーザーマニュアルなどの資料
80386そのもの

データシート、ユーザーマニュアルは、80386の内部の機能ブロック図、どのピンがらどんな信号が入ればどんな信号を吐き出すのか、といったCPUを使ってPCを開発するハード、ソフトの設計エンジニアたちに必要な基本情報が書いてある公開文書である。

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