日本がリチウム資源超大国になれる!? - JAEA、海水からの回収技術を開発
今回の技術は、塩湖からの回収技術と比べ、省スペース、短時間、さらに、電気を新たに生むことからゼロ・エミッション化を目指した革新的な技術だ。しかも海水だけでなく、"にがり"からのリチウム資源回収の成功は、使用済みリチウムイオン電池からのリチウムリサイクル、海水の塩製造や淡水化処理時に廃棄している濃縮海水からのリチウムを含む各種有用なミネラルの効率的な回収などにも適用可能な、波及効果の高い技術であることを示している。
また、リチウム分離過程で発生する水素ガス(+極)や塩素ガス(-極)は、さまざまな工業分野でニーズの高いガスだ。さらに、回収技術が未確立の、ボリビアなどの塩湖に多く含まれる硫酸リチウムからのリチウム回収にも適応が期待できる技術だとする。
日本での食塩製造が塩田から製塩工場へとすべて置き換わったのは昭和40年代と、遠い昔ではない(画像5)。今後はパイロットプラント規模への拡張を目標とし、急増するリチウム資源需要分は海水から確保し、使用済みリチウムイオン電池はリサイクルする、リチウム工場によるリチウム資源の循環型社会の実現へ向けた、革新的な科学技術イノベーションの創出を目指すとする。また今回の技術は特許を出願済みであり、今後はパイロットプラント規模への拡張を目標とするとした。