くらし情報『ロシアの「プラグリェースM-27M」補給船は、なぜ制御不能に陥ったのか (5) 新型のロケットと補給船の組み合わせが生んだ悪夢』

2015年6月18日 12:00

ロシアの「プラグリェースM-27M」補給船は、なぜ制御不能に陥ったのか (5) 新型のロケットと補給船の組み合わせが生んだ悪夢

このポゴという名前は、1950年代に米国で流行した「ポゴ・スティック」(日本ではホッピング)という玩具に由来している。ポゴ・スティックは取っ手と足場のある棒で、下部にバネが仕込まれており、それに乗って飛び跳ねると上下に大きくジャンプすることができるという玩具だ。この動きが縦振動するロケットに似ていることが名前の由来となった。

ポゴ振動はどのような液体ロケットでも起こりうることで、たとえば過去には、アポロを月まで打ち上げたサターンVロケットでこの問題が起き、解決のためにフォン・ブラウンらが奔走したことが知られている。また一般的に、ポゴはロケット・エンジンの燃焼が終了する際に起こることが多く、第3段の燃焼終了直後に異常分離した、という今回の事故と状況は一致する。○実はロケットと補給船は比較的新しい機体だった

ところで、サユース・ロケットもプラグリェース補給船も、何十年も前から使われている機体にもかかわらず、どうして今になってこうした問題が起きたのか、と思われる方は多いだろう。確かに、サユースという名前のロケットの原型は1950年代に、プラグリェースという名前の無人補給船も、その初代の機体は1970年代から使われている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.