かといって、まったくのゼロにしてもよくありません。油脂類は必須栄養素ですから、ある程度摂取しないと体の再生に影響を及ぼし、どんどん老け衰えてしまいます。大切なのはバランスです。
毎食のようにカロリーを気にしていては、楽しい人生なんて送れませんよね? カロリーの摂取は1週間単位などのようにざっくりと考えましょう。同じように、油脂も撮(と)り過ぎたら、2、3日は油分少なめのあっさり食事に切り替えるなどして、体をいたわってあげましょう。
○トランス脂肪酸と賢く付き合うには
トランス脂肪酸は、日本の食品科学においてはかなり重要な働きがあります。ボロボロとした口当たりのアメリカ版トランス脂肪酸フリーのショートニングやマーガリンは、お世辞にも日本人の味覚を満足させる完成度とは言えないでしょう。
健康被害に関しても、死に直結する心臓病やアルツハイマーといった重大な病気との因果関係がはっきり出ているとも言いがたいです(トランス脂肪酸を多く摂取しているということは、そもそもの脂肪の摂取量が圧倒的に多い、つまりは飽和脂肪酸こそ有害であるというすり替え論争にもなりかねないためです)。
現状としては、マーガリンを避けるよりも、安価なサクサクしたパンをお菓子代わりにバクパクと食べないことの方が大切でしょう。