くらし情報『東大、ミリメートルサイズの磁石が量子力学的に振る舞うことを発見』

2015年7月10日 16:42

東大、ミリメートルサイズの磁石が量子力学的に振る舞うことを発見

研究では、強磁性絶縁体であるイットリウム鉄ガーネット(YIG)単結晶球の中のマグノンと共振器の中のマイクロ波光子の結合について調査を実施。その結果、絶対零度に近い状態において、共鳴スペクトルに反交差が見られ、両者のコヒーレントな結合が示されたという。また、1つのマイクロ波空洞共振器の中にYIG球とミリメートルスケールの超伝導回路上で動作する量子ビットを配置した実験では、超伝導量子ビットとYIG球上のマグノンの間のエネルギー量子のコヒーレントな相互作用の証拠を、真空ラビ分裂と呼ぶエネルギー準位の分裂として観測することに成功したとのことで、これにより量子力学的な基底状態ある強磁性体中のスピン集団と、超伝導量子ビットの間でエネルギー量子をコヒーレントにやりとりできることが示されたとする。

今回の成果について研究グループでは、今後、超伝導量子ビットとマグノンの結合を用いて、強磁性体中の集団スピン励起の自由度であるマグノンの量子状態を自在に制御し、観測することができるようになることが期待されるとするほか、並行してマグノンと光通信波長帯光子との相互作用の研究も進めているとのことで、マグノンを介したマイクロ波と光の間の量子インタフェースの実現やそれを用いた量子中継器への応用を目指すとコメントしている。

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