2015年7月22日 12:00
フォントから考える (1) 創英角ポップ体はなぜ街に溢れるのか?
その差が気になるレベルのとき、デザイナーは1字1字サイズや太さを調整して、見た目が揃っているようにします。
しかし、創英角ポップ体ではそれが顕著に起きやすく、視覚調整の手間もばかになりません。その手間が惜しくないほど創英角ポップ体が適している、と思える仕事であれば当然使いますが、そうでなければ、「その仕事に適した印象」と「統一感」が両立する他のフォントの中から選ぶのが自然だと思います。
――デザイナーである佐々木さんにとっては利用頻度が低い創英角ポップ体ですが、商店や駅構内など、街中の掲示物には非常によく見られます。これはなぜだと思いますか?
街角や駅で見かける創英角ポップ体が使われた掲示物などは、おそらくMicrosoftのWord、Excel、Power Pointのいずれかでつくられたものと思います。広く使われているMicrosoft Officeにバンドルされているフォントで、多くの人の手の届きやすいところにあるのが大きな要因なのではないでしょうか。
また、Officeにバンドルされているフォントで、目立って太いフォントは創英角ポップ体か創英角ゴシックUBかの2択になるかと思います。