くらし情報『海底下2500mに微生物の群れ - JAMSTECなどが青森県・八戸沖で発見』

2015年7月24日 18:34

海底下2500mに微生物の群れ - JAMSTECなどが青森県・八戸沖で発見

今回の掘削調査では、海底下2466mまでの堆積物コアサンプルや地層流体・ガスサンプルの採取を実施。それらサンプルから現場固有の生命シグナルを抽出し、海底下深部の生命圏の限界と微生物生態系の実態解明を行ったという。

サンプルを調べたところ、海底下約1.5~2.5kmの深度範囲に過去2000万年以上前に浅海~湖沼環境で形成されたと推察される17の石炭層が確認され、同地がその時代、植物の生い茂る「森」や「湿地」であったことが示されたほか、温度センサによる探査により最深部2466m地点の温度は約60℃と、生命(微生物)が生息可能な温度の範囲内であることが示されたことから、堆積物中に含まれる微生物細胞の数を計測した結果、1cm3あたり100細胞以下ながら、微生物細胞が存在していることが確認されたという。また、微生物にとっての栄養源となる海底下1900~2000mと2400m付近の石炭層には、1 cm3あたり1万細胞程度にまで微生物細胞数が増加していることも確認したとする。さらにガスの分析から、2000万年以上前に形成された海底下約2500mまでの地層においても、現場の微生物の代謝活動による天然ガス生産が進行しており、その末端反応を担う微生物は、水素をエネルギー源とした二酸化炭素還元型のメタン生成菌であることも示唆されたほか、それらの堆積物コアサンプルから、メタン生成菌の生細胞の存在も検出されたという。

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