2015年7月27日 17:30
新型iPod touchから読み解くアップルのデバイス戦略 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
中核となるSoC(※)である「Aシリーズ」は自社開発の上、パートナーに製造を委託しているもので、他のメーカーは使えない。性能を数字でみれば、iPhoneもiPadも、Android端末に比べ特段優れた点はない。iOSとの一体設計がなければ、ここまで快適な製品にはならない。
※システム・オン・チップ。CPUやGPUと周辺LSIを一つにまとめたもの
そして、アップルのiOS機器、特にiPhoneの特徴は、とにかく利益率が高いことだ。パーツコストは販売価格の3割程度と言われている。ただし、ここに宣伝や流通、在庫、研究開発などのコストが乗ってくるので、実際の営業利益率は3割、というのが定説だ。とはいえ、他社の倍近い利益率と言われており、アップルは圧倒的に商売がうまい。
高い利益率を支えているのは、部材調達コストのコントロールである。アップルが自社独自のパーツを調達しているのは、そうするのが、もっとも価格を安く、安定的に調達する方法であるからだ。アップルは工場を持たず、生産委託の形でビジネスをしている。しかし実際には、半導体やボディの生産について、かなり初期設計の段階から関わり、独自に生産機械を調達し、生産委託工場に配置していたりする。