2015年8月21日 12:39
京大CiRA、iPS細胞を用いてデュシェンヌ型筋ジスの初期病態を再現
こうして得られた細胞株を培養していった結果、培養開始9日後、DMD患者ではジストロフィン遺伝子の発現が見られるのに対し、ジストロフィンたんぱく質が合成されていないことが確かめられたほか、電気刺激を加えて、細胞の収縮を観察したところ、細胞核が複数ある筋管細胞へと分化していることも確認したとする。
また、ジストロフィンたんぱく質の発現を回復させる薬剤を導入し、カルシウムイオンの流入量を調べた結果、薬剤を加えた方が、加えていない場合よりも、カルシウムイオンの流入量が抑えられることを確認したほか、細胞が傷つくと、細胞外に漏れ出る酵素の活性割合を調べたところ、コントロール細胞に比べてDMD患者ではクレアチンキナーゼ活性が高まる傾向が認められたとする。
なお研究グループでは、今回の手法では、ジストロフィンたんぱく質の発現を回復させる薬剤を用いることで、同一細胞株において病態の改善を確認することができたことから、今後、こうした評価系の活用が新たな創薬の研究に活用されることが期待されるとコメントしている。
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