2015年9月3日 08:00
乾癬治療にもたらされた第4の選択肢 - 生物学的製剤が変える治療の在り方
また、「乾癬は他人に感染しない皮膚病であり、死に至る病などに比べれば重くないという人もいるが、患者のQOL(Quality Of Life:生活の質)は、身体的な要素としては心筋梗塞や2型糖尿病患者と同等の負担がかかっているほか、精神的な要素としても、がんや関節炎と同程度の負担がかかっている」とし、決して気軽に考える病気ではないとした。
現状、生物学的製剤が高い治療効果を発揮していることが確認されており、こうしたQOLの改善につながることから、「より高い治療目標を目指せるようになった。今、目指しているのは、患者が生活する上で、ほとんど気にならなくできるようにすること」(同)とする一方、乾癬患者が併存症を引き起こしやすい点から、医者側としても、血圧を調べるなど、薬剤の投与前の全身検索を実施することを習慣づけることも必要とする。
また、どういった指針で治療を行っていくか、世界各国でガイドラインがもちろん存在するが、生物学的製剤が一般的に利用できるようになってきたことを踏まえ同氏は私案としながらも、「局面型乾癬については、従来療法で効果がないと思われたら、重症であればあるほど早期から、生物学的製剤を利用するといったアプローチをとるのが良いのではないかと思う」