2015年9月18日 11:00
イプシロン・ロケット、初打ち上げから2年 - そして「強化型」へ (3) イプシロン成功の鍵は「商業打ち上げ」
モバイル管制、人工知能、そして日本の固体ロケットの良き伝統――。さまざまな話題と共に、「イプシロン」ロケットの1号機が打ち上げられたのは、今からちょうど2年前の、2013年9月14日のことだった。大勢の人々に見守られながら、内之浦宇宙空間観測所を離昇したイプシロンは、搭載していた衛星「SPRINT-A」(のちに「ひさき」と命名)を無事に予定通りの軌道に乗せ、華々しいデビューを飾った。
そして現在、この1号機より能力を高めた「強化型イプシロン」の開発が進んでいる。この「強化型」で、イプシロンはどのように変わるのだろうか。
連載の第1回では、イプシロンが先代のM-Vロケットからどう変わることを目指して開発されたのかについて紹介した。第2回では「強化型」でイプシロンはどう変わるのかについて紹介した。
最終回となる今回は、強化型の次に予定されている「イプシロン最終形態」の検討と、そしてイプシロンが真にロケットとして成功するために必要な条件について見ていきたい。
○イプシロン最終形態
イプシロンの高性能化、低コスト化に向けて、段階的に改良が行われていくということは第2回で触れたが、それでは「強化型」