2015年9月18日 11:00
イプシロン・ロケット、初打ち上げから2年 - そして「強化型」へ (3) イプシロン成功の鍵は「商業打ち上げ」
の次、最終的な真の姿はどうなるのだろうか。
現在はまだ決まっていないが、いくつかの検討が進められている。なお、JAXAはこの機体を「イプシロン最終形態」、もしくは「進化型イプシロン」と呼んでいる。
その検討例の一部が、『ISASニュース 2014年7月号』で紹介されている。
たとえば「例1」(中央)は、当初計画されていた「E-1」に近い。「例2」(右から2番目)は機体のすべてが大きくなり、M-Vロケットに近い規模になる。「例3」(一番右)は少し冗談のような形をしているが、まず両脇のブースターだけで離昇し、燃焼を終え、分離されると同時に、中央のモーターに点火するという飛行シーケンスを取るという。
この検討例は、右に行くほど打ち上げ能力が大きくなる。
たとえば「例3」であれば、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた軌道に向けて、800kg以上の探査機を打ち上げることも可能になる。「はやぶさ」の打ち上げ時の質量は510kgだったから、それと比べるとはるかに大きな探査機を打ち上げることができるわけだ。さらに、2014年8月に開催された『28th Annual AIAA/USU Conference on Small Satellites』の発表では、ブースターを3基、4基もつ案も示されている。