2015年10月9日 07:00
ブラック企業の裏側に「ブラック消費者」 - 『投資家が「お金」よりも大切にしていること』
「お金を払う」という行為は世の中の動きと密接に関連し、そういった関連なしでは僕たちは経済活動を行うことはできない。そういう目で「お金」を再度見なおしてみると、単に買い物をしたり外食をしたりすることにも重要な意義があることがわかる。
○経済は互恵関係で成り立っている
本書では、「僕たちの消費活動は、必ず誰かの生産活動につながっている」というあたりまえだが忘れられがちな重要な事実について、ページを多く割いて説明している。先のコンビニの例で言えば、僕たちがコンビニで150円のペットボトルのお茶を買うことで、コンビニや飲料メーカー、お茶農家といった生産者の利益が生まれる。元をたどれば、僕たちがコンビニで払った150円も、誰かが消費したお金からやってきている。
つまり、誰かの消費活動が誰かの生産活動に貢献し、そうやって稼いだお金がまた消費活動に回され、誰かの生産活動に貢献する。すべてはつながっていて、そういった互恵関係によって経済は成り立っているのだ。僕たちは誰かを支え、誰かに支えられることで生きている。
このように考えると、消費者が一方的にえらい(いわゆる「お客様は神様」といった考え方)