2015年10月15日 14:12
「資本主義経済が直面する大きな課題」フィリップ・コトラー教授の提言とは - WMSJ2015
資本主義そのものを救わなければならない」と述べ、所得格差が拡大する現代社会そのものが資本主義にとって大きな危機であるという認識を示した。
○資本主義を危機的な状況から救う解決策はあるのか
こうした資本主義をめぐる状況には、どのような解決策が考えうるのか。コトラー教授は、いくつかの提言を行った。
まずは、企業が従業員に対して十分な生活賃金を支払うということだ。コトラー教授は、著名な企業家であるヘンリー・フォードのエピソードを挙げ、「フォードはかつて、自動車を作っても誰もその自動車を買うお金がないということを知った。そこで彼は平均賃金を2.5ドルから5ドルに引き上げれば、少しお金を借りると一般従業員でも自動車を買うことができるのではないかと考えた。実は、賃金を従業員により多く払う会社は生産性が大きく向上し、チームスピリットも高まるのだ」と語る。
さらに、従業員にとっては会社が絶望や嫌々やる仕事の場であってはならないが、多くの会社はただ必死に働くだけで"絶望の場"となっていると指摘。
「会社は、目的があって従業員が熱意を持って取り組める場でなければならない。従業員が熱意を持って仕事をするための目的を定義できなければ、その経営者は良い経営者とは言えない」