くらし情報『宇宙の元素組成はほぼ均一 - X線天文衛星「すざく」の観測で判明』

2015年10月21日 08:30

宇宙の元素組成はほぼ均一 - X線天文衛星「すざく」の観測で判明

宇宙の元素組成はほぼ均一 - X線天文衛星「すざく」の観測で判明
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月20日、X線天文衛星「すざく」によるおとめ座銀河団の広域観測から、銀河団の内側から外縁部にわたって元素組成が一定であり、それが太陽系周辺の組成とほぼ同じであることがわかったと発表した。「すざく」は2005年7月に打ち上げられた観測衛星で、2015年8月に科学観測を終えた。

同成果はJAXAのオーロラ・シミオネスク 研究員らによるもので、10月1日付の米天文物理学専門誌「The Astrophysical Letters」に掲載された。

宇宙に存在するリチウムよりも重い元素は超新星爆発などによって放出されたと考えられている。超新星爆発には重い星を起源とするII型と軽い星を起源とするIa型があり、酸素やマグネシウムなどの軽い元素は前者から、鉄やニッケルなどの重い元素は後者によって宇宙空間に放出されたとされる。II型とIa型で宇宙空間へ放出された元素は星間物質と混ざり合い、次の世代の星に取り込まれるため、星や星間空間における軽い元素と重い元素の比率を調べることで、どの超新星爆発がどの程度発生したかを調べることができる。

超新星爆発で放出された元素のほとんどは高温のガスとして銀河と銀河の間に存在しており、この高温ガスをX線で調べることで宇宙の平均的な元素組成を知ることができる。

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