2015年10月22日 17:26
京大、プロジェクションマッピングを応用した外科手術支援システムを開発
京都大学(京大)は10月20日、パナソニック AVCネットワークスと共同でプロジェクションマッピング技術を用いて、手術の際の目印をリアルタイムでずれなく投影可能な「可視光投影装置(Medical Imaging Projection System:MIPS)」を開発したと発表した。
肝切除では、不要な出血を予防し、残すべき肝機能を温存することを目的に、安全かつ正確に実施されることが求められているが、肝実質内部には切離の目印がないため、肝切除の術前3Dシミュレーションや近赤外光で蛍光を発する色素「インドシアニングリーン(ICG)」を用いた蛍光ナビゲーション手術の開発などが進められている。中でもICGを用いた蛍光ナビゲーション手術は、乳がんの手術のセンチネルリンパ節の同定に一般的に用いられるなど期待の技術ではあるものの、赤外線カメラで撮影した映像をモニタ上で観察する必要があるほか、観察時は無影灯を消して暗い術野の中で手術を行う必要があるといった課題があった。
同システムは、プロジェクションマッピング技術を応用することで、カメラでICG画像を撮影し、その画像を患者の臓器に直接ずれなく投影するというもの。