2015年10月26日 10:00
航空機とIT (66) 航空機用電子デバイス(8)表示デバイス[その2]
その点、HUDは計器盤の上に、あるいは計器盤の頭上からつり上げる形で固定しているから、固定設置する際に位置合わせをきちんとやっておけば済む。搭乗員の体格の違いは、HUDの位置や角度を調整して対応しようとすると面倒だから、座席の位置や高さを調整して対応するほうが楽だし、間違いがない。
と思ったが、もう1つ作業があった。前面の風防が平面あるいは単純な円筒形を構成するシングル・カーブなら問題ないが、縦断面も横断面も曲線になっている、いわゆるダブル・カーブだと話が違う。キャノピーを通して外を見た時の映像がゆがんでしまうから、それに合わせた補正が必要になるのだ。
だから、HUDの表示内容もそれに合わせて調整しなければならない。特に戦闘機だとよくある話で、F-16みたいにキャノピーの形状が機体ごとに微妙に異なるケースまである。だから、F-16ではキャノピーを付け替えたらHUDの調整もやり直しである。
ちなみに、F-16は一体型キャノピーのダブル・カーブ型だが、そのF-16から派生した航空自衛隊のF-2は前部を独立した風防にしており、それはシングル・カーブ型である。以下の写真で見比べてみよう。
といったところで、突発的に思いついたことがある。