くらし情報『東大、プリントできる温度センサーを開発 - 温度計付き絆創膏などを実現』

2015年11月10日 08:30

東大、プリントできる温度センサーを開発 - 温度計付き絆創膏などを実現

今回の研究では、温度センサーのインクとなるPTCポリマーを合成する際に「オクタデシルアクリレート」と「ブチルアクリレート」という2種類のモノマーの重合割合を変化させる手法を用いることによって、温度センサーの応答温度を25℃~50℃といった人の体温付近に調整することが可能となった。また、従来のポリマーの分子量を変化させることによって応答温度を調整する手法では応答温度の制御性が良くなかったが、今回の手法により0.02℃という精度が達成できたとしている。

またこのPTCポリマーを利用して開発された温度センサーは、1000回以上繰り返し温度を上げ下げしても高い再現性を示すうえ、曲率半径700マイクロメートルに曲げても壊れることなく、生理的環境でも動作するという。

同センサーは抵抗値の変化が非常に大きいため、複雑な読み出し回路を用いずに精度の高い計測ができる。これを示す例として同研究グループは、ダイナミックに呼吸運動している状態のラットの肺表面に同センサーを貼り付けて計測を行い、外気温25℃と体温37℃の状況下において、呼吸の呼気と吸気における肺の温度差が約0.1℃と非常に小さいことを世界で初めて実測した。

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