2015年11月16日 10:21
航空機とIT (69) 実機拝見(3)コンベアF-102デルタダガー
ところが、SAGEシステムで使用するAN/FSQ-7というIBM製のコンピュータは真空管のオバケで、真空管の予防交換を毎日のようにやっていたという。そんな調子だから、機上で使用するコンピュータも、信頼性や耐久性の確保に難渋したであろうことは想像に難くない。
○ネットワーク化、システム化の嚆矢
ともあれ、こうなると戦闘機はそれ単体で交戦するというものではなく、防空指揮管制システムに組み込まれた持ち駒の1つという位置付けになってくる。つまり「飛行機としてのスペック」「それを操るパイロットの腕前」だけでなく、「他の構成要素も含めたシステムとしてどうか」という視点が求められるようになったわけだ。
現代では、軍用機はいうに及ばず民航機でも、本連載で以前に取り上げたことがあるADS-B(Automatic Dependent Surveillance - Broadcast)、あるいはACARS(Aircraft Communications Addressing and Reporting System)などといったシステムを通じて地上とつながっている。そうした、「飛行機が単体ではなく、他の飛行機や地上のシステムと連携動作しながら目的を果たす」