2015年11月18日 08:30
工学院が開発したリアルタイム処理可能な超解像技術、富士通がスマホに搭載
そこで富士通が合志教授が研究を進めてきた第3の超解像の方式とも言える「非線形超解像」に注目。2015年3月より共同開発を開始し、このたび、製品への搭載にこぎつけたとする。
非線形超解像は、合志教授自らが「コロンブスの卵的な発想」と表現するもので、簡単に処理手順を説明すると、入力画像に対してハイパスフィルタをかけてエッジ(輪郭)を検出。さらに非線形信号処理を実施することで、信号波形が大きくなるので、それを元の画像に足し合わせるだけ、というだけのものである。これまで超解像技術分野において、非線形信号処理が用いられてきたことはなく、まさに発想の転換が生み出した技術といえ、処理時間も繰り返し処理がないため、従来技術比で1000倍以上の高速化を図ることができるとする。
実際に同大のオープンキャンパスで来校した一般人を対象に5台のスマホで5つのシーンを映し出す画質評価を実施。その結果、同技術を用いた端末が最も高い評価となり、2位となった市販されている一般的なスマホと比べて、統計的に99%以上の有意差が確認されたとしている。また、2次元FFT(高速フーリエ変換)の結果、元の画像が有していなかった解像度、つまりナイキスト周波数を超える高精細成分が確認されたとする。