くらし情報『H-IIAロケット29号機現地取材 - "高度化初号機"の打ち上げを現地からレポート! 今回の注目点は?』

2015年11月23日 13:05

H-IIAロケット29号機現地取材 - "高度化初号機"の打ち上げを現地からレポート! 今回の注目点は?

ブースタの数が違うと、離床時の上昇速度が変わってくる。H-IIAロケット29号機の推力は、第1段エンジンが1,100kN、SRB-Aが9,050kN(4本分)。離床時の推力はほぼこのSRB-Aで稼いでいるため、初の204型だった11号機の打ち上げを見ていたときに「はやっ!」と驚いた記憶がある。今回はどんな打ち上げになるのか、ロケットファンとしては気になるところだ。

2つめの注目点は、ロケットが「高度化仕様」になっていることだ。H-IIAロケットの静止トランスファー軌道(GTO)への打ち上げ能力は、202型が4トンで204型が6トンであるが、これはロケット側に都合のいいGTO(静止化増速量=1,830m/s)へ打ち上げる時の数字で、世界標準のGTO(同1,500m/s)の場合には、これが3分の1程度にまで下がってしまっていた。

静止化増速量が多いGTOだと、GTOから静止軌道へ移動するときに、衛星側の燃料消費量が増えてしまう。その分、衛星は燃料を多く搭載する必要があるし、搭載しなければ運用期間で使える燃料が減り、寿命が短くなってしまう。
いずれにしても衛星にとっては有り難くない話で、商業打ち上げの獲得に向けた大きな課題の1つとなっていた。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.