衛星メーカーの仕事とは? - はやぶさ2/あかつきのNEC大島プロマネに聞く
○目指すのは「こんなこともあろうかと」が無い運用
--両探査機のプロジェクトマネージャを兼務しています。2つのイベントが、たった4日しか離れていないのは大変そうですね。
担当メンバーは一部重なっていますが、基本的に「はやぶさ2」の地球スイングバイは、事前に行う軌道決定と軌道の微調整が最も重要な運用で、スイングバイ前後は、地球に近づくチャンスを捉えた運用が主体となります。それに対して「あかつき」の運用は、当日の軌道制御運用が全てを決める最も重要な運用です。2つの探査機の運用は、イベントでの運用の性格がかなり異なるため、それぞれに適した人員で準備を行っています。
「はやぶさ2」は地球スイングバイの後、小惑星とのランデブーに向け、イオンエンジンの運転率も上がりますので、その準備を入念に行います。一方、「あかつき」は今回のイベントが金星周回軌道への投入の唯一のチャンスであるため、このイベントに向けて集中的な準備をしています。
--「あかつき」の軌道投入へ向け、現在はどんなことをやっているのでしょうか。
金星到着までに軌道の微調整があり、これも非常に重要な運用です。ただ計画通りにいかないことがあったとしても、時間的には修正を行う余裕があります。