謎だらけの深海生物「テヅルモヅル」に名前を付けたい! - 「分類学者」の研究室に潜入してみた
今回ははじめから形が違うと思っていたので、DNA解析によって種が異なるということを明らかにできました。しかし最近ではとりあえずたくさん採ってきて、まずDNA解析をしてみるという研究もあります。ただ、そういった研究のなかには生物の形が示されていないものもあり、形の違いも検証してきちんと名前を整理すればよいのに……と思ってしまうことがあります。とにかく私は「分類したい」という気持ちをモチベーションに研究を行っているので、形の特徴も、飼ってみたときの特徴も、DNA解析の結果も、すべてを分類に持ち込めればと考えています。
―研究者としての人生を歩んでいくにあたって、夢や目標はありますか。
あまり考えたことはなかったですが……クモヒトデ全体の系統分類はなんとかしてやりたいと思っています。現在は、オーストラリアのチームとも競争しているのですが、日本は生きものが多いので我々にできることはたくさんあります。クモヒトデはあまり知られていない生きものですが、生物量も多く、狭いところに生息できるので、海の環境を考えるうえでとても重要な生きもののはずです。
海の生きものは、ほかの生物に比べて飼育しにくく研究が進んでいません。