謎だらけの深海生物「テヅルモヅル」に名前を付けたい! - 「分類学者」の研究室に潜入してみた
深海の調査は何回やっても新しい結果が出てきますね。
●テヅルモヅル研究者の密かな野望とは
○テヅルモヅル研究の難しさ
―テヅルモヅルを集めて、その形を観察して分類していく、というのが岡西先生の研究の流れなんですね。研究において、何か課題などはありますか。
大学院生のころには博物館で研究をしていたのですが、この場合、主に標本を利用してテヅルモヅルの形を見ていきます。しかしこれでは、死んだ生きものの形しか見ていないことになりますよね。私は、彼らの“生きざま”……動きや行動、生活様式なども分類の指標になるのではと考えています。たとえば、砂の上にいるのか、岩の下にいるのかといった情報は、その生物がどう進化してきたかということにも関係してきます。
―なるほど。
実際に飼って観察してみるということはされているんでしょうか。
テヅルモヅルを飼育するのは、水温の関係で非常に難しいです。死ぬとバラバラになってしまうんですよね。上手く飼っている方もいるらしいのですが……。テヅルモヅルの腕は不等分岐といって腕が不規則に分岐していたり、主軸があってそこから分かれていたり、さまざまな分岐のパターンがあります。