2015年12月4日 06:00
東京都品川区に460円で2つの天然温泉がある湯処あり! その心意気も熱かった
東京都品川区には、わずか460円の入泉料で2種類の天然温泉を楽しめる湯処がある。ぜいたくなかけ流しを460円で堪能できるというだけでも驚きだが、さらにその裏に隠されたストーリーもまた興味深いものがあるという。一体、どんな湯処なんだろうか。
○二代目の奮闘で客数は3倍に
施設の名前は「武蔵小山温泉 清水湯」(東京都品川区)で、創業は大正13年(1924)。当時は竹林が広がる武蔵野の地で、毎日、家一軒分の廃材を燃やして湯を沸かしていた。つまり、当時は天然温泉ではなかったため、人力で湯を沸かす必要があったのだ。しかし冒頭の説明通り、現在では温泉が湧いているのだが、創業当時と変わらず「銭湯」という形態を貫き、東京都の公衆浴場入浴料金で利用者を楽しませている。
ではなぜ、現在では本物の天然温泉を楽しめるかというと、高度成長期に銭湯文化が衰退したことで、客足が減り続けることを見かねた二代目がある時、温泉採掘を決意したから。
とはいえ、「品川では温泉が出ない」と言われていたこともあり、出るか出ないかは掘ってみるまで分からない。
それでも勝負に出た二代目は平成6年(1994)、見事勝利を手にし、客数を3倍に増加させることに成功した。