2015年12月5日 10:00
宇宙重力波望遠鏡の実証機「LISAパスファインダー」、打ち上げに成功
を打ち上げることを計画している。LISAパスファインダーはその開発に必要な、新しい技術や装置の実証試験をするために開発された。
重力波とは、時空が振動し、光の速度で伝播する現象のこと。1916年にアインシュタインが発表した一般相対性理論の中で予言されたが、これまで間接的にしか存在が示唆されておらず、直接観測に成功した例は無い。もし重力波の直接観測に成功すれば、一般相対性理論の正しさが再び証明されると同時に、重力波によって宇宙を観測する「重力波天文学」という分野が生まれることが期待されている。
重力波望遠鏡は地上でも造ることができ、日本でも11月に「KAGRA」という重力波望遠鏡が完成した。しかし、重力波の中でも低周波のものは、地球上では地面が振動があるため観測が難しいことから、eLISAのように望遠鏡を宇宙に打ち上げる必要がある。
ただし、宇宙で動く重力波望遠鏡を造って動かすためには、きわめて高い技術が必要となる。
eLISAにも数多くの先進的な技術が使われることになっており、実現にはLISAパスファインダーによる実証が必要不可欠となっている。なお、LISAパスファインダーはあくまで技術実証機であるため、重力波を検出することはできない。