東北大、小胞「メラノソーム」上にタンパク質送り届けられる新技術を開発
RNA干渉法によりRab27A(最上段)を欠損させられた細胞では、メラノソームが核周辺で凝集してしまう(上段)。この細胞にSlac2-aやSlac2-aΔSHDを発現させても、荷札役のRab27Aがないため、メラノソームを認識できず、メラノソームの分布は回復しない(中央2および3段目)。
しかし、MST-Slac2-aΔSHDは荷札のRab27Aに関係なくメラノソームに局在化でき、ミオシンVaとも結合できるため、メラノソームの分布が回復する(下段)。挿入図は四角の部分の拡大図を示し、右列の重ね合わせの図ではメラノソームが赤色の疑似カラーで示されている。点線はメラノソームの凝集を起こした細胞の縁の部分を示したものだ。
以上の結果から、MSTタグは成熟メラノソーム上に人為的にタンパク質分子を局在化させる初めてのツールとして利用できることが明らかになったというわけだ。また、MSTタグを融合させても、融合させた分子の機能を損なうことはなかったことから(例えば、Slac2-a分子のミオシンVa結合能など:画像10・11)、タンパク質分子の機能を保持したままメラノソーム上に局在化させることが可能となったのである。