2015年12月28日 17:11
OISTなど、海藻から抽出した高分子のカプセルで糖尿病治療に新たな道
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は12月25日、糖尿病治療に新たな道筋を示す海藻マイクロカプセルを開発したと発表した。
同成果は、沖縄科学技術大学院大学とワシントン大学、武漢理工大学の研究グループによるもので、12月25日付けの独科学誌「Advanced Healthcare Materials」に掲載された。
1型糖尿病患者に対する、インスリン摂取量を減らしインスリン投与への依存を断ち切るための効果的な治療として、膵臓にあるランゲルハンス島を移植する手法がある。同手法では、大規模な外科手術を必要とせず、局所麻酔ですむ場合がほとんどで、膵臓ごと移植する場合に比べ、安価で安全な手術を行うことができる。しかし、現在はヒト同士の同種移植しかできないため、移植に必要なランゲルハンス島の数は多くない。また、ランゲルハンス島の保存・輸送の際には超低温凍結法が一般的に用いられるが、細胞を冷却し続けると、細胞内部や細胞と細胞の間にある水が凍結しはじめ、氷晶を形成し、これが細胞膜を貫通して細胞を物理的・機能的に破壊するという問題がある。
今回同研究グループは、微小液滴を生成するマイクロ流体装置を用いて、海藻から抽出した天然高分子「アルギン酸塩」