くらし情報『産総研など、人の動きや呼吸を検出できる非接触式のフィルム状近接センサー』

2016年1月25日 15:21

産総研など、人の動きや呼吸を検出できる非接触式のフィルム状近接センサー

おもて面と裏面の電極サイズが同じ場合、発生する電気力線は電極間に閉じ込められる傾向にあるが、電極サイズが異なると周囲に電気力線が漏れる。この状態で人がセンサーに近づくと、電気力線の一部が人の方向に向くため電極間の静電容量が変化し、人の接近を検出できる。この際、電気力線が床材やベッドマットなどで遮蔽されない周波数(今回は200kHzを使用)の交流電圧をかけると、センサーが「物体の裏側に隠れている状態」でも、おもて側での人の接近を検出できる。

同センサーのように両面に電極を持つ構造を作製するには、まず、電極の材料となる導電性のインクをおもて面に印刷し、その後加熱してインクを焼成したうえでシートを裏返して裏面に印刷し、さらに裏面のインクを焼成するという手順が考えられるが、この場合、時間がかかる加熱焼成を2回も行う必要がある。そこで今回は、同研究所が開発したスクリーンオフセット印刷技術を利用。同技術では、簡単にフィルム両面に電極パターンを形成することができる。

また、フィルム状近接センサーを畳ベッドの裏側に貼り付け、被験者が畳ベッド上に横たわった状態で、吸い込み3秒間、吐き出し3秒間の周期で呼吸をしたところ、呼吸の周期に合わせてシグナルが変化しており、寝ている人の呼吸を的確に検出できることがわかった。

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