2016年1月25日 17:34
NEDOなど、商用ICカード規格で動作する有機半導体デジタル回路を開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月25日、印刷で製造可能な有機半導体デジタル回路の高速化に成功し、商用ICカード規格で動作する温度センシングデジタル回路の開発に成功したと発表した。
同成果は、NEDOプロジェクトとして、トッパン・フォームズ、富士フイルム、大阪府産業技術総合研究所、JNC、デンソー、田中貴金属工業、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース、パイクリスタルなどの研究グループによるもの。
同プロジェクトチームはこれまでにも塗布により半導体回路を形成できる有機半導体製造技術を開発して、13.56MHzの商用周波数による電波でのデジタル信号の伝送を実現していたが、今回は新たに商用ICカード規格に対応し、かつNFCの処理が可能な26.5kHzの動作周波数で駆動するフィルム上の温度センシング電子回路を開発することに成功したという。
具体的には、従来、ガラス基板上でしかできなかった塗布結晶化法をフイルム上で実現したほか、プロセスの最適化を図ることで、チャネル長5μmの有機CMOS回路を集積することに成功。これによりこれまでのキャリア移動度10cm2/Vsよりも高速な16cm2/Vsを実現。