前述の人工知能もこうしたビッグデータ解析によって賢くなっていくし、システム中のメッセージやメールの発言を定期的に収集し、そこから人間関係を推測して人事に活用するといったことも可能だという。管理職から見れば人事査定の一助にもなるわけで、業務効率化という観点からは心強い。
従来のエンタープライズ向けシステムは、何をするにもシステム側の都合にユーザーが合わせるといった感じで、ユーザビリティ(使い勝手)の面は顧みられていなかった。一方、GoogleやAmazonといったコンシューマ向けシステムでは、過去の行動からおすすめの製品を紹介したり、メールを解析して不要なメールは自動的にゴミ箱に捨てるといった快適性をもたらしてくれる。HUEでは人工知能を使ってエンタープライズ向けシステムを、コンシューマ向けサービスの水準にまで高めようとしている。
○人工知能がビジネスシーンからなくすもの
さて、人工知能がビジネスシーンから何を省くか。HUEを事例として取り上げたが、そこからは、単純作業がなくなることがわかる。かつてワープロやパソコンが会社のデスクに登場したときのように、人工知能がビジネスの現場に入り込んでくることは、もはや避けられない。