2016年1月29日 12:29
北海道~関東の太平洋沖合プレートではスロースリップに周期性 - 東北大ら
東北大学(東北大)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は1月28日、北海道~関東地方の沖合のプレート境界断層の広い範囲で、人間が感じられるような揺れを起こさずにゆっくりと地中の断層がずれ動く「スロースリップ」という現象が周期的に発生していることを発見したと発表した。
同成果は、東北大学大学院 理学研究科/東北大学災害科学国際研究所 内田直希 助教、日野亮太 教授、海洋研究開発機構 飯沼卓史 研究員らの研究グループによるもので、1月29日付けの米科学誌「Science」オンライン版に掲載される。
東日本大震災をもたらした2011年東北地方太平洋沖地震のような大地震を発生させるプレート境界断層では、急激な断層すべりのほかに、人間には感じられないゆっくりとしたすべりであるスロースリップも発生していることが知られている。これまで関東以西のフィリピン海プレート上では、周期的なスロースリップの発生が知られていたが、東日本の太平洋プレート上では、主に断層深部で発生する定常的なすべりと、大地震の後にその周囲で発生し、時間とともにおさまっていく余効すべりという2つのタイプのスロースリップのみが知られていた。