2016年2月1日 13:00
航空機の技術とメカニズムの裏側 (3) 航空機の構造(3)胴体の構造
その胴体の内部構造はどうなっているか。
まず、前後方向に走る骨組み(縦通材)と円周方向に走る骨組み(フレーム)を組み合わせており、その外側に外板をリベット止めした構造である。ただし、リベットが外に突出していると凸凹になって空気抵抗を増やすので、外板の中にリベットの頭を埋め込んだ、いわゆる沈頭鋲を使用するのが普通だ。
つまり、輸送機の胴体は「内側に縦横の骨組みを入れて強度を持たせた、巨大な茶筒」である。鶏卵だと殻だけで強度を維持しており、内側に骨組みはついていないが、飛行機の胴体だと卵の殻のようにはいかないので、骨組みを加えて強度を持たせている。
ただし、茶筒といっても前端部と後端部はそれぞれ絞り込んだ形にしないと空力屋から文句が出るし、そもそも強度を維持していない。そこで、半球ないしはそれに近い形状にして強度を持たせている。ちなみに、1985年の日航ジャンボ機墜落事故で問題になった圧力隔壁とは、この半球形の後端部のことである。
実際にはその後ろまで胴体構造は続いているが、圧力隔壁より後ろは与圧の対象になっていない。
旅客機だと内装材が取り付けられているので、胴体の内部構造を見ることはできない。