2016年2月19日 12:44
インドに新幹線ネットワークが誕生? 制度づくりから始める日本の狙いとは
ムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道の事業性調査(フィージビリティスタディ)は、日本政府とインド政府が費用を出し合って共同で実施した経緯がある。調査を行った国際協力機構(JICA)によると、日本側は世界の高速鉄道システムを比較しつつ、日本方式の安全性、省エネ性能、定時運行率の高さなどを説明し、インド政府の新幹線採用を後押ししたという。
○新幹線採用の成否を分けたポイントは
日本が調査を行ったという意味ではインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画も同じだが、新幹線採用の成否を分けたポイントはどこにあったのだろうか。国土交通省によると、インドでは相手国政府に調査費用の一部を負担させたことで、調査段階からインド政府を「責任ある立場」に引き込むことができたのが大きかったという。インドネシアの調査では、日本側が費用を全額負担していた。
日印両国政府は調査期間中、定期的に会合を開き、実際の調査にあたる日本企業チームから報告を受ける場を設けていた。この機会を捉え、日本勢は新幹線の優位性をインド政府に説明していた。結果的に、ムンバイ~アーメダバード間では複数の国による入札もなく新幹線の採用が決まった。