2016年2月19日 12:44
インドに新幹線ネットワークが誕生? 制度づくりから始める日本の狙いとは
アジア開発銀行(ADB)の「アジア経済見通し2015年改訂版」をみると、インドの実質GDP成長率は2015年が7.4%、2016年が7.8%の見通し。10%前後で推移していた当時の日本には及ばないが、経済の拡大期に新幹線の導入を決めたのは両国の類似点といえる。
東京~新大阪間とムンバイ~アーメダバード間は、距離的にも約500kmと同程度。ムンバイとアーメダバードが古くからの商都であることも、インド版新幹線の事業性を予測するうえで見逃せないポイントだ。日印の類似点だけを数え上げてインド版新幹線の将来を見通すのは危険だが、東海道新幹線がドル箱路線と呼ばれるまでに発展している現状をみると、このタイミングでインドが高速鉄道を導入するのも決して早すぎるとは言えないだろう。
○日本の比ではない沿線人口
2004年に日本貿易振興機構(JETRO)が行った調査によると、ムンバイは東京都に匹敵する約1,200万人の人口を抱えている。アーメダバードの人口は約580万人で、大阪市に比べれば2倍以上の規模だ。両都市を結ぶ新幹線の沿線人口は約1.8億人と膨大で、途中には100万都市が点在しているため乗降需要も見込める。