くらし情報『理研、大脳白質が"消える"「白質消失病」の原因タンパク質の立体構造を解明』

2016年2月23日 11:21

理研、大脳白質が"消える"「白質消失病」の原因タンパク質の立体構造を解明

今回研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」を用いたX線結晶構造解析で、10個のサブユニットから構成される巨大なeIF2Bの3次元構造を解明。その結果、eIF2Bの変異の大半は、eIF2に働く領域(活性部位)や、サブユニット間の相互作用面に集中していることがわかった。これは、変異によって活性部位や全体構造が損なわれ、eIF2Bの機能が低下することが、白質消失病の発症原因であることを意味している。ストレスを受けて一般的なタンパク質合成が抑制された後、抑制が解除されてストレス状態から通常状態へと回復する際に、eIF2Bの機能が低下しているために回復に必要なタンパク質を十分に合成できず、神経細胞が変性し白質消失に至ると考えられる。

さらに、独自開発した技術を活用し、eIF2BとeIF2に非天然型アミノ酸を導入して解析したところ、eIF2Bの3次元構造の上でリン酸化されたeIF2と結合する領域は、通常のeIF2を活性化する際に結合する領域とは異なることを発見。この結合様式によりリン酸化されたeIF2は、自身の活性化を起こさないだけでなく、ほかのeIF2の活性化も妨げることが明らかになった。

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