くらし情報『東大など、放射性元素を長期間隔離する技術に応用可能な固定機構を発見』

2016年3月8日 12:54

東大など、放射性元素を長期間隔離する技術に応用可能な固定機構を発見

掘削により得られた岩石試料について、高空間分解能の電子顕微鏡を用いてウランの固体分析を行った結果、花崗岩の亀裂で地下水から沈殿した炭酸カルシウム鉱物の内部にウランがナノ粒子として取り込まれていることが明らかになった。

さらに、炭酸カルシウム鉱物にウランのナノ粒子が固定されていた期間を明らかにするために、直径2μmのレーザーを用いて、ナノ粒子のウランと鉛の同位体組成をプラズマイオン源質量分析計で測定したところ、ウラン—鉛同位体組成から算出された形成年代から、炭酸カルシウム鉱物中にウランのナノ粒子が90万年以上の期間にわたり安定に固定されていることが判明した。

炭酸カルシウム鉱物は結晶構造にストロンチウムを取り込むため、地下水中で微生物による炭酸カルシウム鉱物の形成を人為的に促進することで、放射性ストロンチウムの除去も可能であるという。同研究グループは、微生物による炭酸カルシウム鉱物とウランのナノ粒子の形成を、有機物の添加により同時に引き起こすことで、放射性元素を長期間にわたり生物圏から隔離する技術への応用が期待できるとしている。

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