くらし情報『長崎“教会群”からみる世界遺産登録のハードルの高さ【後編】』

2016年3月14日 11:30

長崎“教会群”からみる世界遺産登録のハードルの高さ【後編】

(馳文科相)ものの、2年後、3年後の国内推薦への締め切りである3月末までに時間がある段階だったことは幸いだったといえる。もし中間報告が出ず、ゴールデンウィークシーズンまで勧告の感触がわからなかったら、登録されるのがさらに遅くなるのだ。しかも、先にも述べたように、今後毎年推薦できなくなる可能性もあるからなおさらだ。
また“教会群”はイコモスとのアドバイザー契約を2月24日に結んだ。イコモスの指摘に則って推薦内容を見直すことになるため、イコモスのお墨付きとなる。そのため、登録へのハードルが高い中にあっても、可能性はグンと高くなるのだ。

○“教会群”はどう課題と向き合うか

今までに登録された遺産の事例を考えると、ストーリーの変更があれば、資産とされる遺産の数や名前に変更が生じる可能性はあるだろう。さらには、世界遺産として保護されるべき範囲の変更も考えられる。
実際14の資産のうちイコモスが焦点を当てるべきといっている「禁教期」の資産はうち4つだけで、半数以上の8つは禁教が解けた後に立てられた教会だ。これはそもそも教会群を世界遺産にという動きからスタートしていることにも関係あるだろう。そこに集落や城跡なども入っていったのだ。

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